”Google for Jobs”の対応を急かされたので対応内容を確認する
今回は本年日本でもリリースされた”Google for Jobs”の対応方法をまとめていきたいと思います。私は求職サイトの開発・運用をしていましてそのサイトでの対応を元にまとめます。
[ 目次 ]
はじめに
こんにちは、香港に住んでいるWEBデベロッパーのなかむ(@nakanakamu0828)です。
今回は本年日本でもリリースされた”Google for Jobs”の対応方法をまとめていきたいと思います。私は求職サイトの開発・運用をしていまして、そちらのサイトでの対応内容を元にまとめていきたいと思います。
まず、"Google for Jobs"のドキュメントについてですが、Googleがリファレンスを用意していますのでそちらの内容もご確認ください。
このリファレンスの内容を元に説明します。
Google for Jobsとは
Google for Jobsとは、Google検索で求人情報を検索した際にエンリッチリザルト形式で求人を表示させる機能です。例えば、Google検索で"エンジニア 求人"という文言で検索すると以下のような結果が表示されます。
(私が現在いる場所を起点として求人を探してくれるようです。ちなみに香港から日本語で検索するとGoogle for Jobsの結果は表示されません)
検索結果の上部に表示されるので、ユーザーはGoogleからダイレクトに求人が検索できるようになります。
Google for Jobsはどのような機能があるのか?
求人検索
検索窓のテキスト以外に以下の項目でフィルタリングが可能です。
検索している職種によってフィルタリングの条件が変わるようです。"看護師"を検索したところ業種が1種類なので"カテゴリ"のフィルタリングは表示されませんでした。
カテゴリ
業種による絞り込みが可能です。
地域
デフォルトでは検索した位置から近い求人が表示されますが、地域を指定することも可能です。
投稿日
すべて、24時間以内、3日以内、1週間以内、1ヶ月以内からフィルタリング可能です。
形態
就業形態を すべて、フルタイム、契約社員、パートタイム、インターン からフィルタリング可能です。
企業
検索窓で絞った条件にあった企業の候補が表示されます。そちらから企業選択が可能です。
求人保存
求人のブックマーク機能です。求職サイトによくあるお気に入り機能と同じイメージですね。
応募したい求人を保存しておくことができます。
求人一覧の各求人の右上の保存アイコン。または、求人詳細の右上の保存アイコンから保存することができます。
保存した求人は、”保存済み”タブから一覧で確認できます。
求人アラート
気になる求人条件をアラート設定することで、メールやアラートページで定期的に求人情報を通知してくれます。
求人一覧の左下にあるトグルボタンでOn/Offを切り替え可能です。
アラートとして登録した情報は、"アラート"タブから一覧で確認できます。
アラートメールの配信日時も”すぐ配信”、”毎日”、”毎週”から選択可能です。
Google for Jobsに求人を載せるには?
Google for Jobsに求人を表示させるためには、求人情報に構造化データをマークアップする必要があります。
構造化データはjson形式のデータになり、求人詳細ページ(Job Posting)の<head>
タグ内に記述します。
構造化データについては、こちら を元に説明していきます。
構造化データのマークアップ方法
求人情報(Job Posting)の構造化データをJSON-LDでマークアップします。
以下にマークアップの例を記述します。
マークアップした構造化データは、Googleが提供しているテストツールから確認できます。
こちらから試すことができますのでご確認ください。
<script type="application/ld+json"> {
"@context" : "https://schema.org/",
"@type" : "JobPosting",
"title" : "Webエンジニア",
"description" : "<p>PHP, Laravelを利用したWeb開発だけではなく、クライアントとのコミュニケーションの中から要件定義しサービスをカタチにするお仕事です。</p>
<p><strong>雇用形態</strong>:正社員</p>
<p><strong>勤務時間</strong>:10:00~19:00(実働8時間)</p>
<p><strong>給与</strong>:月給40万円~</p>
<p><strong>昇給</strong>:年1回(9月)</p>
<p><strong>賞与</strong>:年1回(12月)</p>
<p><strong>待遇</strong>:各種社会保険完備・交通費規定支給(3万円/月まで)・家賃補助あり</p>",
"datePosted" : "2019-02-16",
"validThrough" : "2019-03-31T00:00",
"employmentType" : "FULL_TIME",
"hiringOrganization" : {
"@type" : "Organization",
"name" : "Shien株式会社",
"sameAs" : "http://www.example.com",
"logo" : "http://www.example.com/images/logo.png"
},
"jobLocation": {
"@type": "Place",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "丸の内2-3-2",
"addressLocality": "千代田区",
"addressRegion": "東京都",
"postalCode": "100-0005",
"addressCountry": "JP"
}
},
"baseSalary": {
"@type": "MonetaryAmount",
"currency": "JPY",
"value": {
"@type": "QuantitativeValue",
"value": 400000,
"unitText": "MONTH"
}
}
}
</script>
テストツールの結果は以下のようになります。
プレビューにてどのようなUI表示になるか確認できます。プレビューを確認してみましょう。
今回のデータの結果は以下のような表示になります。
属性の説明
構造化データの属性については、こちら にわかりやすく詳細がまとまっていますのでそちらをご確認ください。
求人掲載終了時の対応
求人の掲載終了 or 削除はこちら に仕様がまとまっています。
今回案件では以下のルールで対応する予定です。
求人掲載終了(ページが削除される場合)
掲載終了後ユーザーに求人情報を表示しない場合は、404を返すようにする
求人掲載終了(掲載終了用にUIを変更する場合)
掲載期間中は構造化データの”validThrough”で終了伝える。終了したら構造化データ自体を削除する
掲載企業が求人を削除
求人が削除されたタイミングで404を返すようにする
Indexing API を利用して、サイト側からGoogleに削除通知する方法は今回考慮していません。
Google for Jobsによる影響は?
よく世間では「求人検索エンジンのIndeedはダメージ大きいよね? Googleから検索すればいいし」とか「Googleから直接求職サイトやリクルートページに遷移できると転職アフィリエイトは厳しいよね?」とか言われていますが、私は本質ではないと思っています。
Google for Jobsが広まることによるメリットは以下だと考えています。
- 企業はGoogle for Jobs対策をすることで、コーポレートサイトのリクルートページにダイレクトにユーザーを集客することができる。また、Google for Jobsの認知度が広まるにつれ集客増加が見込める
→ これによって求職サイトやエージェントに支払っていたコストを軽減できる可能性があります。
- Google for Jobs対応を行う求人ページが増えることで、求職者はGoogleから簡単に自分にあった求人を探すことができる。
大きくこの2つだと考えています。人材不足を解消したい企業はまずはリクルートページに”Google for Jobs”対応を行った方が良いでしょう。
Google的には、Gmailアカウントと紐づけることでユーザーの求職動向を追うことができますし、新たなビックデータの取得にも繋がりますよね・・・
最後に
今回は”Google for Jobs”についてまとめまして、Symfony2, Laravel5.7で求職サイトの運用・開発をしていますので、順次”Google for Jobs”対応をしていきたいと思います。